輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

こきょうのはなし

故郷の話

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《故郷の話(こきょうのはなし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 1,069 字 · 3 頁

青空文庫

朝夕、早春らしい寒さのゆるみが感じられるようになってきた。

日本の気候は四季のうつりかわりが、こまやかであるから、冬がすぎて寒いながらも素足のたたみざわりがさわやかに思われて来たりする、微妙な季節の感覚がある。

文学に季節がはっきり反映しているし、又作家が季節につながった思い出として故郷の春や、故郷の秋景色についてたずねられる場合も、なかなか少くない。

そういう時、私は自分に故郷と名づけるところがないということをよく感じる。私は東京で生れて、ずっと東京で育ったから、ここが故郷といえばいえよう。けれども、よそに出て暮しているのではないから、例えば、大阪で生れて育った人が現在では東京暮しをしているとか、反対に東京生れの人が大阪にいて、武蔵野の景色を故郷として思いうかべる心持とは大変にちがう。

外国生活の間には、誰しも自分の生れた国をさまざまの面から深くながめ、理解するものであるが、この場合には面白いことに、日本というものが総括的につかまれて、世界のただ中でそれが感じられるのであるから、その気持も、またいわゆる故郷をおもう気持といささか違った複雑な内容をもっている。