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さんげ

散華

太宰 治

線上閱讀太宰 治《散華(さんげ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,172 字 · 21 頁

青空文庫

何か激励の言葉を送ってよこして下さい。」というような意味の葉書を再三、私は受け取った。

けれども私は、「激励の言葉を」などと真正面から要求せられると、てれて、しどろもどろになるたちなので、その時にも、「立派な言葉」を一つも送る事が出来ず、すこぶる微温的な返辞ばかり書いて出していた。

からだが丈夫になってから、三田君は、三田君の下宿のちかくの、山岸さんのお宅へ行って、熱心に詩の勉強をはじめた様子であった。山岸さんは、私たちの先輩の篤実な文学者であり、三田君だけでなく、他の四、五人の学生の小説や詩の勉強を、誠意を以て指導しておられたようである。山岸さんに教えられて、やがて立派な詩集を出し、世の達識の士の推頌を得ている若い詩人が已に二、三人あるようだ。

「三田君は、どうです。」とその頃、私は山岸さんに尋ねた事がある。

山岸さんは、ちょっと考えてから、こう言った。

「いいほうだ。いちばんいいかも知れない。」

私は、へえ? と思った。そうして赤面した。私には、三田君を見る眼が無かったのだと思った。私は俗人だから、詩の世界がよくわからんのだ、と間のわるい思いをした。