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かたきうちふだしょのれいげん

敵討札所の霊験

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《敵討札所の霊験(かたきうちふだしょのれいげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,950 字 · 249 頁

青空文庫

殊に山坂を歩き慣れて居るから、木の根方に足を掛けて歩く事は上手です。なれども始めての処で様子を知りませぬから、一生懸命死者狂いになって逃げると、細手の勇治は、

勇「なに此の女っちょ」

とは云っても谷間を歩くのは下手で追掛ける事は出来ません。何うした事か山之助が足掛りを踏外したから、ずずうと蔦が切れたと見えて、両手に攫ったなり谷底へ落ると、下には草が生えた谷地に成って居り、前はどっどと渦を巻いて細谷川が流れます、

山「はアー何うも怖い事、伯父さんがそう云った汝一人で縱え敵討をする心でも大胆だ、とても西国巡礼は出来ぬ、道中は、怖いもので、昔これ/\のことが有ったと云って意見をなすった、それでもと云って覚悟はしたが怖いなア、こりゃアいけない、柄杓を落してしまった…だが彼奴はまア何だろう、私を女と思って居やアがって、無闇と人の頬片へ髭面を摩り附けやアがって……おや笠を落してしまった、仕様が無いなア……おや笠は此処に落ちてる、先刻落ちる機みに柄杓を……おや柄杓も此処におや/\巡礼も此処に落ちてる……」

と谷地を渡って向うへ行きますると、草の上へ仰向反になって居る