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かたきうちふだしょのれいげん

敵討札所の霊験

三遊亭 円朝

線上閱讀三遊亭 円朝《敵討札所の霊験(かたきうちふだしょのれいげん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 125,950 字 · 249 頁

青空文庫

、最う五十の坂を越して居ります善右衞門、大きに気力も衰え、娘お照と云うがございまして年十九に成りますから、これに養子を致さんではならんと心配致して居りましたが、丁度三月末の事、善右衞門が遅く帰りまして、

善右衞門「一寸お前」

妻「お帰り遊ばせ」

善「いや帰りにね武田へ寄って来た」

妻「おや、大分お帰りがお遅うございますから、何処かへお立寄と存じまして」

善「少し悦ばしい話があるが」

妻「はい」

善「斯う云う訳だが、予てお前も知っての通り、昨年悴が彼アいう訳になって私も最う勤は辛いし、大きに気力も衰えたから、照に何な者でも養子をして、隠居して楽がしたい訳でもないが、養子を致さんではと思って居た処が、幸いと武田の次男重二郎が養子になるように相談が極ったよ」

妻「おやまアそれは何うも此の上もない事でございます、お屋敷中でも親孝行で、武芸と云い学問と云い、あんな方はございません、評判の宜い方でござりますねえ」

善「それに彼は武田流の軍学を能くし、剣術は真影流の名人、文学も出来、役に立ちますが、継母に育てられ気が練れて居て、如何にも武芸と云い学問と云い老年の者も及ばぬ、実に彼のくらいの養子は沢山あるまい、此の上もない有難い