輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぶんがくせいしんとひはんせいしん

文学精神と批判精神

宮本 百合子

線上閱讀宮本 百合子《文学精神と批判精神(ぶんがくせいしんとひはんせいしん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 4,003 字 · 8 頁

青空文庫

方法として対象は自我であり自己の世界であり、私小説の伝統に立つものであった。後者は純文学の芸術性の擁護、文学精神としての芸術至上の論拠に立って、批判を行っていたのである。

事情は推移して、プロレタリア文学時代は過ぎたのであったが、この文学を押し流した時代の波は、純文学を主唱した知識人の社会的ありようにも激しく荒っぽい動揺を加えた。そしてそのひどい震盪は、純文学の枢軸であった人間としての自我の拠りどころを全く見失わせるに至った。この純文学の悲劇は、しかしながら既に数年に亙って準備されていたものであったとも云える。何故なら、プロレタリア文学との対立の時期に於ても、純文学の自我は、その自我の歴史的な成長の過程として、よりひろい動的な社会の客観的現実としての関係の中に自我を見る目を育てようとはせず、反対に個性という自我の一つの属性の範囲に人間の自我の可能性をちぢめて、その個性の芸術的完成の意味での芸術性のみを強調して来ていたのであったから。その必要に立って、自我の拡大のための重大な消化機能である現実的な批判精神というものは拒否して来たのであったから。

社会情勢の波瀾が内外の圧力で純文学末期の無力な自我から最後の足がかりを引攫おうとしたとき、そのような苛烈な現実を歴史的な動きの中に把握してゆく精神を既に喪っていた