輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

しんぱん ほうろうき

新版 放浪記

林 芙美子

線上閱讀林 芙美子《新版 放浪記(しんぱん ほうろうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 247,330 字 · 497 頁

青空文庫

遠くで青空をつげる鶏の声がしている。朗かな夏の朝なり。昨夜の汚ない男の情熱なんかケロリとしたように、風が絹のように音をたてて流れてくる。この男があの人だったら……コッケイな男の顔を自動車に振り捨てたまま、私は泥んこの道に降り歩いた。紙一重の昨夜のつかれに、腫れぼったい瞼を風に吹かせて、久し振りに私は晴々と郊外の路を歩いていた。――私はケイベツすべき女でございます! 荒みきった私だと思う。走って櫟林を抜けると、ふと松さんがいじらしく気の毒に思えてくる。疲れて子供のように自動車に寝ている松さんの事を考えると、走って帰っておこしてあげようかとも思う。でも恥かしがるかもしれない。私は松さんが落ちついて、運転台で煙草を吸っていた事を考えると、やっぱり厭な男に思え、ああよかったと晴々するなり。誰か、私をいとしがってくれる人はないものかしら……遠くへ去った男が思い出されたけれども、ああ七月の空に流離の雲が流れている。あれは私の姿だ。野花を摘み摘み、プロヴァンスの唄でもうたいましょう。

(八月×日)

女給達に手紙を書いてやる。

秋田から来たばかりの、おみきさんが鉛筆を嘗めながら眠りこんでいる。