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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
そして前には美しいショールの女の五、六人が、中を割って、わたしを通して行きすぎた。すぐまたその後へ、キチンとした洋服の、すこしも透のない若紳士の群れが来る。わたしはしどろもどろである。乾いて来た洗髪にピンがゆるんで、束髪がくずれてくる煩さが、しゃっきりして歩かなくってはならない四辺と、あんまり不似合なのに気がつくと、とって帰したいようになった。
三丁目で、こんな店も銀座通りにあるかと思うような、ちょっとした小店で、眉毛を剃ったおかみさんが、露地口の戸の腰に雑巾をかけていた。聞きよかろうと思って、カフェーナショナルは何処ですかと問うと、
「知りませんねえ、そんな家は。カフェーっていう洋食やならありますけれど」
わたしはまた、銀座通りの店にこうした女房さんもあるのかと、お礼を言って離れた。
尾張町の交番でたずねると、交番の巡査は知らないと言った。すると直傍に、青に白の線のある腕章をつけた交通巡査がいて、
「あるある、出雲町の交番の裏だ」
と深切におしえてくれた。わたしはこのごろ、こうした事を巡査や交番で聞くことが、大層自然になって、すこしも気まりが悪かったり、嫌な思いをすることがなくなった。