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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
おかげさまと、どうやらこの店もやってゆけます。株式をやめて、わたくしの店にしてしまうような相談もあります。一、二年もしてやってゆけば、妹に譲って、わたしはわたしの何か仕事をはじめようと思っています」
長椅子の方へ来て、くつろいでこんな打明けばなしをしてから、御免なさいといって、はじめて巻煙草の一本をつまんだ。
お鯉さんのこれからの生活は、かなり色の褪た、熱のないものであろうとその時わたしは思った。彼女は羽左衛門と、三下り、また二上りの、清元、もしくは新内、歌沢の情緒を味わう生活をもして来た。巨頭宰相の寵愛を一身にあつめ、世の中に重く見られる人たちをも、価値なきものと見なすような心の誇りも知って来た。いかなるものが現われ来て、この後の彼女を満足させるほどその生活を豊富にするであろうか? それは疑問だ。何にしても彼女の過去が、あんまり光彩がありすぎた。あざやかすぎた。
とはいえそれを救うのは、純潔なる魂の持主、熱烈な情熱と、愛情でなければならない。彼女が、生来まだかつて知らぬ、清純な恋そのものでなくてはならない。が、悲しいことに、いたずらに費消された彼女の情熱は、真純さを失って、彼女の外見のかたちよりは若さを消耗している。