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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
感情も荒っぽいので、どうしてもあの人とならんで、も一人、繊細な感情の持主であり、音楽的波動で人にせまる、詩的な女優がなくてはならないと思っていた。陶冶されないあの駄々っ子は、あの我儘が近代人だといえばそうとも言われようが、気高い姿体と、ロマンチックな風致をよろこぶ女にも、近代人の特色を持った女がないとは言われない。
ひたぶるに突進んでいって、突きあたる壁のあったのをはじめて発見したのだ。彼女が勢力にまかせて押退けたおりには、奥深くへと自然に開けていった壁が――何の手ごたえもない幕のように見えた壁が、巌壁のように巍然と聳えたっていて、弾き飛ばした。彼女ははじめて目覚めて、鉄のように堅く冷たい重い壁を繊手をのべて打叩いて見た。そしてその反響は冷然と響きわたり、勝手にしろと吼えた。そのおりには、もう彼女の住む広い胸はなかった。底知れなかった愛人の情をしみじみとさとり知ったおり、そこに偉大な人格を偲ばなければならなかった。
傲慢な舞台、中ごろが一番激しかった。ことに幕切れなどは、傍若無人という難をまぬがれないおりもあって、見ていてさえハラハラしたものである。