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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
「余と、余の一族は目下謹慎中にて何とも面目なし」
とその感慨の一部を洩らした。そして一人は息絶え、一人は瀕死であるためにすべての事は秘密に葬りやすかった。この事件の一切を処理する事を依託された岡氏は、絶対の秘密にして、遺書も一応披見したのち焼きすててしまった。
「両方とも誠につまらぬ遺書にて、何らお話するほどの事なし」とはいったが、某氏の談によれば縷々事情の複雑な関係があからさまにされていたという事である。
で、彼女たちはどんな風にして家を出てのちを過したかということは、かなり委しく探り出されている。
それは倉持が自分の部屋で泣きながらお酒を飲み、そして外へ出ていったという夜の十二時すぎのことである。千葉町のある家の門をたたいたのが、何処かで落合った鎌子と陸助とであった。その家はおりから営業を禁止されていたので、田川屋という宿屋へ案内をした。翌朝前の家から迎えがいったので、客の二人は以前の家へ引返して朝飯をすませた。午飯には三本のお酒の注文があり、その他に餅菓子の注文もした。名所絵葉書十枚、巻紙封筒をも取寄せて両人はしきりに書面を認ためていた。沈みがちであった二人のうち、わけても女は打沈んでいた。