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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
「今回芳川家に起ったような事件に関しては、別に華族懲戒令というものがあって、もしその事件が訓戒すべきものならば宮内大臣の独断をもって、また譴責すべきものならば委員会の決議をへて取扱うことになっている。即ち芳川事件がもし懲戒すべき性質のものならば右の懲戒令によることだろうと思うが、それにしても従来この事件に比するものは華族間に決して例が少なくない。ただこんどはああして世間に知れ渡ったというにすぎぬから、従来の例から推考すると別に懲戒に附するほどのことはあるまいと思う」
というのである。
明子氏の説は此処に来て意義あるものとなった。全く鎌子はそうした階級の迷夢を醒まさせる犠牲になったのである。そしておなじような位置に置かれてある人たちに、たしかに何らかの印象を与え、覚醒をうながしたことはいうまでもない。
鎌子を生ました老伯爵のその間の心意はどんなであったろう。老後の悲劇である。明治維新のおり赤忠をもって贏ち得た一切の栄誉は、すべてみな空しくされたものとなった。老後の栄職である枢密院の副議長の席も去らなければならなかった。彼の人は門戸を深く閉じて訪客を謝し、深く深く謹慎していた。