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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁

青空文庫

で、その時代を醸した、前期の美人観をといえば、一口に、明治の初期は、美人もまた英雄的であったともいえるし、現今のように一般的の――おしなべて美女に見える――そうしたのではなかった。「とても昔なら醜女とよばれるのだが、当世では美人なのか。」と、今日の目をもたない、古い美人観にとらわれているものは歎声を発しるが、徳川末期と明治期とは、美人の標準の度があまりかけはなれてはいなかった。

無論明治期にはいって、丸顔がよろこばれてきていた。「色白の丸ポチャ」という言葉も出来た。女の眼には鈴を張れという前代からの言いならわしが、力強く表現されてきている。けれど、やはり瓜実顔の下ぶくれ――鶏卵形が尊重され、角ばったのや、額の出たのや、顎の突出たのをも異国情緒――個性美の現われと悦ぶようなことはなかった。

瓜実顔は勿論徳川期から美人の標型になっていた。その点で明治期は美人の型を破り、革命をなし遂げたとはいえない。そして瓜実顔は上流貴人の相である。その点で明治美人は伝統的なものであり、やはり因習にとらわれていたともいえる。維新の政変はお百姓の出世時というようなことを、都会に生れたものは口にしていたが、「お百姓の出世」