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めいじびじんでん
新編 近代美人伝 (上)
長谷川 時雨
線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁
てかくはかなき文字沙たにはなりつ、人見なばすねものなどことやうの名をや得たりけん、人はわれを恋にやぶれたる身とやおもふ、あはれやさしき心の人々に涙そそぐ我れぞかし、このかすかなる身をささげて誠をあらはさんとおもふ人もなし、さらば我一代を何がための犠牲などこと/″\敷とふ人もあらん、花は散時あり月はかくる時あり、わが如きものわが如くして過ぬべき一生なるに、はかなきすねものの呼名をかしうて、
うつせみのよにすねものといふなるは
つま子もたぬをいふにや有らん
をかしの人ごとよな(一葉随筆、「棹のしづく」より)
と、心を高く持っていたこの人のことを、私は自分の不文を恥じながらも、忠実に書かなければならないと思う。ともかくも、私はまずこの人の生れた月日と、その所縁のつづきあいとを書落さぬうちにしるしておこう。
二
一葉女史は江戸っ子だ、いや甲州生れだという小さな口論争を私は折々聴いた。それはどっちも根拠のないあらそいではなかった。女史が生れたのは東京府庁のあった麹町の山下町に初声をあげた。明治五年には他にどんな知名の人が生れたか知らぬが、私たち女性の間には、ことに文芸に携わるものには覚えていてよい年であろう。