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めいじびじんでん

新編 近代美人伝 (上)

長谷川 時雨

線上閱讀長谷川 時雨《新編 近代美人伝 (上)(めいじびじんでん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 129,076 字 · 256 頁

青空文庫

衣裳調度は出来るだけ華美に、めざましいほどに調えられた。その人数には、俳優、芸妓、旦那衆、画家、芸人、噺家、たいこもち、金に糸目をつけぬ、一流の人たちが主な役柄に扮し、お徒歩、駕籠のもの、仲間、長持かつぎの人足にいたるまで、そつのないものが適当に割当てられ、旧幕時代の万事を知るものが、その身分々々によって肝煎りをした。真にまたと見ることの出来ぬと思われるほどの思いつきで、赤や浅黄の無垢を重ね、上に十徳を着たお坊主までついて、銀の道具のお茶所まで従がっていった。

その行列が通るのをわたしは柳橋で見た。勿論土地の売れっ妓たちは総縫の振袖や、袿を着た、腰元や奥女中に、他の土地の盛り場の妓たちと交っていたので、その通行のおりには大変な人気であった。

柳橋の裏河岸の、橋のたもとから一、二軒目に表二階に手摺のある、下にちょいと垣を結うた粋な妾宅があった。裏へ抜ければ、じきに吉川町へ出て、若松家という古い看板の芸妓家へとゆくことが出来るようになっていた。妾宅のあるじは若松家の初代小糸といった女で、お丸さんという名であった。その時分若松屋には三代目の小糸という雛妓も、お丸という二代目も出ていた。