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にほんのでんせつ
日本の伝説
柳田 国男
線上閱讀柳田 国男《日本の伝説(にほんのでんせつ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 104,931 字 · 207 頁
(霞村組合村是。鳥取県日野郡霞村)
大阪天王寺の地蔵祭りは、以前には旧の十一月の十六日でありました。この朝早く子供たちは、米の粉を持って来て地蔵のお顔に塗り、その夕方にはまた藁火を焚いて、真黒にいぶしました。そうして「明年の、明年の」とはやして、お別れの踊りを踊ったということであります。(浪華百事談)
人によっては、これを道碌神の祭りともいいました。道碌神は道祖神のことでありますが、これも少年と非常に仲の好い辻の神で、もとは地蔵と一つの神であったのですから、そういっても決して間違いではありません。道祖神はたいていの所では、正月十五日にそのお祭りをしました。木で作った場合にでも、やはり子供等は白いものを塗りました。東京から西に見える山の中の村などでは、この日のどんど焼きの火の中へ、石の道祖神を入れて黒くいぶしました。信州川中島の村々では、二月の八日がお祭りの日でありますが、この朝は餅を搗いて、これを藁製の馬に負わせ、道碌神の前までひいて行き、その餅を神様の石像に所嫌わず塗りつけるそうであります。
町の児童も近い頃まで、「影や道碌神」と唱えて、月の夜などには遊んでいました。