輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

にほんばし

日本橋

泉 鏡花

線上閱讀泉 鏡花《日本橋(にほんばし)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 88,697 字 · 177 頁

青空文庫

「評判な人ね、あやかりたいよ。」

で、粋な音〆と聞えた美声。

露地の細路……駒下駄で……

と得意の一節寂寞とする。――酔えば蒼くなる雪の面に、月がさすように電燈の影が沈むや。

「肖然。」

と、知った同士が囁き合って、威した客の方が悚然とする。……

露地の細路、……駒下駄で……

「お孝、それだけは堪忍しな。」

つむじ曲りが、娑婆気な、わざと好事な吾妻下駄、霜に寒月の冴ゆる夜の更けて帰る千鳥足には、殊更に音を立てて、カラカラと板を踏む。

顔の見える時はまだしもである。

朽ちた露地板は気前を見せて、お孝が懐中で敷直しても、飯盛さえ陣屋ぐらいは傾けると云うのに、芸者だものを、と口惜がっても、狭い露地は広くならぬ。

車は通らず、雨傘も威勢よくポンと轆轤を開いたのでは、羽目へ当って幅ったいので、湯の帰りにも半開、春雨捌きの玉川翳。

美人のこの姿は、浅草海苔と、洗髪と、お侠と、婀娜と、(飛んだり刎ねたり。)もちょっと交って、江戸の名物の一つであるが、この露地ばかり蛇目傘の下の柳腰は、と行逢うものは身の毛を悚立てて、鶯の声の媚いて濡れたのさえ、昼間も時鳥の啼く音を怪む。