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にほんせいしんしけんきゅう

日本精神史研究

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁

青空文庫

わがせこは相念はずともしきたへの君が枕は夢に見えこそ  (同、山口女王)

吾のみぞ君には恋ふる吾背子が恋ふとふことは言のなぐさぞ  (同、坂上郎女)

こひこひてあへる時だに愛しきことつくしてよ長くと念はば  (同)

これらはまことに恋の感情の繊鋭な表現である。その感情は決して単純とは言えぬ。ただ彼らは複雑な恋の感情の急所を捕えた。そうして直ちにその悲しみ、追慕、恨み、甘えなどの情を、面前に投げつくるがごとくに詠嘆した。我らはそこにその恋の心と人とを切実に感じさせられる。しかるに『古今』の歌人は、恋の情を直接に詠嘆せずして、観察し解剖し、そうして人の言い古さないある隅を見つけ出すのである。

うたゝねに恋しき人を見てしより夢てふ物はたのみ初めてき  (恋二、小野小町)

現にはさもこそあらめ夢にさへ人目をもると見るが侘しき  (恋三、同)

これは恋の歌であるには相違ない。しかし直接に恋しさをではなく、ただ恋における夢を詠嘆するに過ぎぬ。夢を頼む恋人の心理、夢にさえも人目をはばかるのを見る不自由な恋の心理、それらが主たる関心事であって、恋そのものはただ「はかない恋がある」