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にほんせいしんしけんきゅう

日本精神史研究

和辻 哲郎

線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁

青空文庫

君主は自ら神的なものであるとともにまた祭司であった。天照大神がそうである。崇神天皇がそうである。邪馬台の卑弥呼もそうである。かくて国家の統一は「祭事の総攬」において遂げられた。種々の地方的な崇拝が、異なれる神々の同化やあるいは神々の血統的な関係づけによって、一つの体系に編み込まれたのは、この「祭事の総攬」の反映であろう。

かくのごとき祭事は支配階級の利益のために起こったというごときものではない。そこにはいまだ「支配」という関係はなかった。祭事に伴なっているのは「統率」という事実である。原始的集団においてはその生活の安全のために祭事が要求せられた。力強い祭司の出現は集団の生活を安全にしたのみならず、さらにその集団の生活を内より力づけ活発ならしめた。祭司の権威の高まるとともに集団は大となり、その大集団の威力が神秘的な権威として感ぜられる。ここに「祭事の総攬」という機運が起こってくる。集団の側から祭事や祭司を要求することが、祭司の側からは統率となるのである。だから統率は君主が民衆を外から支配し隷従せしめるというのではなく、民衆がその生活の内的必然として要求したものであった。