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にほんせいしんしけんきゅう
日本精神史研究
和辻 哲郎
線上閱讀和辻 哲郎《日本精神史研究(にほんせいしんしけんきゅう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 208,277 字 · 415 頁
唐が世界文化の融合地であったごとく、日本もシナを超えた西方の文化によって自己を高くした。薬師寺の聖観音や法隆寺の壁画は、西域文化の渡来を語るとともに、また統一と創造とに緊張した国民の心の、力強い律動と大きい感情のうねりとを現わしている。盛唐の文化は成熟と完成である。天平の文化もまた成熟と完成である。緊張した力強さは豊満な調和に変わる。聖林寺の十一面や三月堂の梵天の豊かな威容は、その著しい表現と見られよう。これらの美術はシナの美術の直模なのではなくして、シナと同じき文化圏内にあった日本人の創作なのである。その変遷はシナにおける様式の変遷と同じき必然性をもって内から起こったものにほかならぬ。日本人の心生活は隋唐文化圏内にあってただ民族的地方的の第二次的な特長を保持したに過ぎない。だからこれらの美術はその共通な様式に基づきつつただ気品や表情において民族的地方的な特徴を示すのである。様式は同一でありながらなおおのおのの時代の日本人自身の心の律動を表現しているということは、右のごとき第一次的と第二次的との二つの層において見いだされ得ると思う。しかしこの問題は美術鑑賞の微妙な範囲にはいって行く。