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めいじのせんそうぶんがく

明治の戦争文学

黒島 伝治

線上閱讀黒島 伝治《明治の戦争文学(めいじのせんそうぶんがく)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,887 字 · 24 頁

青空文庫

恐らく、いろ/\な疎漏があると思う。それに、年来の宿痾が図書館の古い文献を十分に調べることを妨げた。なお、戦争に関する詩歌についても、与謝野晶子の「君死にたまふことなかれ」、石川啄木の「マカロフ提督追悼の詩」を始め戦争に際しては多くが簇出しているし、また日露戦争中、二葉亭がガルシンの「四日間」を訳出している。「四日間」の戦争の悲惨を憎悪した内容が二葉亭の当時の態度を暗示しているかもしれないが、それらは、若し次の機会があらば、すべてをまとめて、もっと完全なものとしたいと思う。

若し、以上見て来たところのものを西欧の近代の戦争文学と比較するならば、トルストイの「セバストポール」や「戦争と平和」は勿論、ガルシンの「四日間」「兵卒イワノフの手記」「卑怯者」でも、またアンドレエフの「血笑記」でも、モウパッサンのへんぺんたる短篇の戦争を扱ったものでも、やはり遙かに上にある。彼等は地主的或はブルジョア的イデオロギーの持主ではあったが、しかし、決してブルジョア乃至は愛国主義の番犬ではなかった。トルストイは見習士官としてセバストポールの戦争に参加したが、ガルシンも露土戦争に参加した。