輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 42,950 字 · 85 頁

青空文庫

通太郎はその疑問を克子に訊きただしたが、それに対して克子は答うべきものを殆ど持ち合せていなかった。彼女の注意は、ひたすら兄を案じる不安の故に、兄の姿の上にのみ主としてそそがれていたからであった。

彼女はしかし思いだそうと努力してみたが、力がつきて、

「そればかり見ていた筈の兄上のお姿まで、アリアリと順序正しく思いだすことができないほどです。三名の婦人は姉上、キミ、カヨの順に現れて、またその順に一しょに並んで立っていたと思いますが、確かではありません。服装は、キミもカヨも常に客間へ接待にでるときの侍女の服装のままでした。その壁際には他に人の姿が近づいたことはなかったようです。三名の婦人の方は出入の時機をかねて承知のように、自分で時を見はからって厚いカーテンの陰から思い思いに往復していたように思われました。指図をしている者の姿も、打ち合せている様子も、認められませぬ。しかし、カーテンの裏に時機を見て指図していた誰かが居たのかも知れませんが、その者がカーテンの外側に姿を現したことはありませんでした」

「カーテンの陰に誰かが指図していたとすれば、その者は同時刻にカーテンの表の側に居ることはできない筈だが、質問役の晴高叔父上がそれでないのは確実。