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めいじかいか あんごとりもの
明治開化 安吾捕物
線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 30,755 字 · 62 頁
出がけの食事中に呟いたという今夜一晩の不寝番とは、これを指しているのです。なかなか巧妙な策戦でしたね。そこで狙いたがわず目的を達して秘密の場所を見破ったかと申すと、実はアベコベでした。兄さんは己れの才をたのんで敵を甘く見ましたが、実は一見マヌケの如くにして敵の御両氏はさらに抜群の策士でした。否。軍略の才能に差がなくとも、敵を甘く見たことが大きな差をつくりだしてしまったのですね。バカの如くでバカでない御両氏はたちまち兄さんの計略を見破りました。そして兄さんが庭のどこかで不寝番をして見張っているに相違ないのを推察すると、それを逆に利用する策を立てたのです。花嵐にたのみ、庭の巨石をうごかしてその下に何物かを隠したフリをして見せたのです。兄さんは敵を甘く見ているために敵の策を見破ることができませんでした。そして敵が隠し場所を変えたものと真にうけて、手紙の束は石の下にありと思いこんだのです。とても巨石をうごかすことはできないから、石の横から下へと土を掘って目的物に達しうると考えました。巨石の下のしめった土の中へ手紙を隠しておくと紙が傷んで物の役に立たなくなるという不都合な結果が目に見えているから、直ちに発掘にとりかかるのは当然の行動でしたろう。