輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

めいじかいか あんごとりもの

明治開化 安吾捕物

坂口 安吾

線上閱讀坂口 安吾《明治開化 安吾捕物(めいじかいか あんごとりもの)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 23,522 字 · 46 頁

青空文庫

海舟は悪血をとりながら新十郎に向って、

「板戸のカンヌキは外側から工夫してあけられる仕掛けがありそうかい」

新十郎はニッコリ笑って、

「全然ございません。板戸は柱を通りこして溝の中へピッタリはまるようにできておりますから外部からは隙間というものがございません」

「すると内側の者でなければカンヌキを外すことはできないな」

「その通りです」

「左近はカンヌキをしめるのを忘れたか、または左近がカンヌキを外したか」

「なぜでしょうか」

海舟は新十郎の澄んだ目を見てフフンと笑って、

「奴メ、かねて用意の八本の刀をみんな隣室へ投げこんで、だんだん騒ぎがはじまったから、ソッと板戸をひらいてみたと考えられないかな」

「ハハア。天の岩戸でげすか。汚らしい大神様だね。力持の神様は誰だろう」

花廼屋は遠慮なく海舟先生をまぜッ返している。ここがこの男の身上である。

新十郎はややはじらって、

「先生の推理も一理ですが、部屋はいずれも真の闇で、左近といえども視覚によって愉しむことは思考外でありましたろう。それに、左近が殺された位置は、彼が隣室へ抜身を投げこみつつあった位置で、そこは欄間の下でもあって、隣室の音をききわけるには最も適した位置のようです」