輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
ほしじょろう
星女郎
泉 鏡花
線上閱讀泉 鏡花《星女郎(ほしじょろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 52,344 字 · 104 頁
これはならぬ、と言う、口へ入る、鼻へ飛込む。蚊帳を釣っても寝床の上をうようよと這廻る――さ、その夜あけ方に、あれあれ峠を見され、羽蟻が黒雲のように真直に、と押魂消る内、焼けました。
残ったのがたった一軒。
いずれ、山ぎのものか、乞食どもの疎であろう。焼残った一軒も、そのままにしておいては物騒じゃに因って、上段の床の間へ御仏像でも据えたなら、構は大い。そのまま題にして、倶利伽羅山焼残寺が一院、北国名代の巡拝所――
と申す説もござりました。」
七
「ところが、買手が附いたのでござりましてな。随分広い、山ぐるみ地所附だと申す事で。」
行者がちょいと句切ったので、
「別荘にでもなりましたか。」
煙管を揮って、遮るごとく、
「いや、その儀なら仔細はござらん、またどこの好事じゃと申して、そんな峠へ別荘でもござりますまい。……まず理窟は措いて、誰だか買主が分らぬでございます。第一その話がござってから、二人や、三人、ぽつぽつ峠を越したものもございますが、一向に人の住んでいる様子は見えぬという事で。ただ稀代なのは、いつの間にやら雨で洗ったように、焼跡らしい灰もなし、焚さしの材木一本横わっておらぬばかりか、大風で飛ばしたか、土礎石一つ無い。