輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
チュンタオ
春桃
宮本 百合子
線上閱讀宮本 百合子《春桃(チュンタオ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 10,868 字 · 22 頁
劉向高という、同じ年ぐらいの少しは文字のよめる男が、春桃と同棲している。向高は、春桃が一日の稼ぎを終って廂房に戻って来ると、いつも彼女の背をもみ、足をたたいてやった。そして商売の上では、価のある紙質や書類をよりわける。向高は、春桃をどうしても女房や、と呼びたい。そして、実際にそう呼ぶ。けれども春桃はその度毎に、「女房、女房って、そう呼んじゃいけないって云ってるじゃないか、ええ?」と、うけつけないのであった。春桃は、向高と自分とは天地も拝せず三々九度の盃も交さず、ただ故郷の兵火に追われて偶然遁げのびて来た道づれの男女が、とも棲みしているばかりだと主張していた。しきたり通りの婚礼をした春桃の良人は李茂という男だった。やっと婚礼の轎が門に入ったばかりの時、大部隊の兵が部落に乱入して来て、逃げ出した新夫婦は、二日目の夜馬賊に襲撃されて又逃げるとき、遂にちりぢりとなった。その時より四五年経った。彼女の几帳面さと清潔とを見出されて、或る西洋人の阿媽となったが、春桃には、どうしても西洋の体臭に添いかねて、やめてしまった。大きな屑籠を背負い、破れた麦稈帽子に、美しい顔の半分をかくした春桃は、「屑イ、マッチに換えまァす」