輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ちえのいちたろう

智恵の一太郎

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《智恵の一太郎(ちえのいちたろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。

N3 · 進階 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 頁

青空文庫

ね、わかったろう」

寒い息で寒暖計の水銀がのぼった時には、なんだか魔法のような気がしたのに、わけをきいてみると、魔法でもなんでもないことが、よくわかりました。こんなむずかしい問題がとけるかしらと思っていたのが、らくらくとけてしまったのです。

「風にふかれると寒いのも同じわけだよ。君のいうように、つめたい空気が送られて来るということもある。また、もう一つ、僕らの皮膚のまわりは、体温であたためられた、うすい空気の層でつつまれているのだ。そこへ風がふくと、その暖い空気の層がふきとばされて、外がわの、つめたい空気が皮膚にふれるので、寒いと感じることがある。まあ、いろいろあるが、今日は、おもに皮膚の水分の蒸発について説明したのだよ」

そういって、高橋さんは、なんだかへんな笑い方をしました。

「ところで、君が風をひいたほんとのわけを教えてあげようか」

「それは、お湯から出て、すぐ風にふかれたからでしょう」

「そうかい。それじゃ君はこれまで、お湯から出て寒い風にふかれたことは、一度もなかったのかい」

高橋さんはまた、なんだか妙なことをいい出しました。

「そりゃ、そうじゃないけれど……」