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ちえのいちたろう
智恵の一太郎
江戸川 乱歩
線上閱讀江戸川 乱歩《智恵の一太郎(ちえのいちたろう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N3,點詞查義。
N3 · 進階 · 新字新假名 · 67,333 字 · 134 頁
だからハハアンと思ったのです。お椀の底は丸いから、その中で水がこおれば、凸レンズの形になるんですもの。
それで、ゆうべ、寝る前に、お椀に水を入れて、窓の外へ出しておいたんです。けさ戸をあけてみると、お椀の水は底まで全部こおっていました。でも、それをお椀からとりはずすのがむずかしかったけれど、考えているうちに、お椀をあたためればいいということがわかったのです。それで洗面器にお湯を入れて、その中へお椀をつけてみたら、わけなく氷のかたまりがとれたんです。
それからお祖父さんのお灸のもぐさを少しいただいて、氷の凸レンズに太陽の光をあてて、火をつけたんです。それからね、新聞紙のきれっぱしを、火のついたもぐさにつけて、フーフーと口でふいていると、パッと火がもえて来たんです。それをもとにして、こんな大きなたき火が出来たんですよ」
一太郎君は、みごとに水から火をつくりました。そして、それを実に順序正しく説明したのです。それを聞いて、お祖父さんもお父さんも、すっかり感心なさいました。
「フーム、さすがは智恵の一太郎じゃ。白状すると、わしもゆうべ、あれから、父さんの難題をいろいろ考えてみたのじゃが、どうしてもわからなかったのだよ。