輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

ぼうがくととうきょう

望岳都東京

木暮 理太郎

線上閱讀木暮 理太郎《望岳都東京(ぼうがくととうきょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 31,243 字 · 61 頁

青空文庫

処に登場する山の幾つかに就て少し許り説明を加えて見たいと思う。

東京から見得る山の中で最も遠いのは、今の所では越後の苗場山であろう。『北越雪譜』の著者鈴木牧之君は、「苗場山に遊ぶの記」を書いて、其中に「爰に眼を拭ひて扶桑第一の富士を視出だせり、其様雪の一握を置くが如し、人々手を拍ち、奇なりと呼び妙なりと称讃す」というているが、其時若し江戸の友人であった曲亭主人から、「苗場山は江戸の近郊赤羽台といふ所より望むに、其様俎の片足無きが如く、そゞろに奇と呼び妙といはまくのみ」というような通信でもしたならば、牧之君は夫こそ手を拍って、どんなにか喜んだ事であろうと思う。苗場山に次で遠いのは信州の岩菅山、野州の那須山という順で、大井川奥の聖岳は二十番以下である。夫にしても苗場や岩菅などは、二千米を超ゆること僅に百か二百米に過ぎないに拘らず、関東平原の一隅に位する首都東京の市中から、啻に頂上の一部ばかりでなく、殆んど中腹まで望むことが出来るのは、低い前山との距離が近い割合に、前山と東京との距離が遠い所為であろう。吾等に取っては勿怪の幸である。

東京市中又は近郊から山を望む好季節は、二月から四月稀に五月上旬迄である。