輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

もくばはまわる

木馬は廻る

江戸川 乱歩

線上閱讀江戸川 乱歩《木馬は廻る(もくばはまわる)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,819 字 · 20 頁

青空文庫

となると、格二郎も今更ら後へは引かれぬ訳である。

「いいとも、館がはねたら、いつもの店で、お前のすきなのを買ってやるよ」

でも、格二郎は、さも浮々と、そんなことを受合いながらも、一つには、いい年をした爺さんが、こうして、十八の小娘に夢中になっているかと思うと、消えて了い度い程恥しく、一こと物を云ったあとでは、何とも形容の出来ぬ、胸の悪くなる様な、はかない様な、寂しい様な、変な気持に襲われるのと、もう一つは、その恥しい快楽を、自分の金でもあることか、泥棒のうわ前をはねた、不正の金によって、得ようとしている浅間しさ、みじめさが、じっとしていられぬ程に心を責め、お冬のいとしい姿の向うには、古女房のヒステリィ面、十二を頭に三人の子供達のおもかげ、そんなものが、頭の中を万字巴とかけ巡って、最早物事を判断する気力もなく、ままよ、なる様になれとばかり、彼は突如として大声に叫び出すのであった。

「機械場のお父つぁん、一つ景気よく馬を廻しておくんなさい。俺あ一度こいつに乗って見たくなった。お冬坊、手がすいているなら、お前も乗んな、そっちのおばさん、いや失敬失敬、お梅さんも、乗んなさい。