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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
電灯会社の修理工の一郎は、だんぜん地下戦車を作りあげるつもりである。さればこそ、毎朝、“未来の地下戦車長、岡部一郎”と、大きな文字を書いて、自分をはげましているのであった。
はたして、地下戦車は、一郎の手によって、出来上るだろうか。今のところ、少年修理工岡部一郎と地下戦車との間には、あまりに大きなへだたりがあるように見える。
痛い瘤
一郎は、それから後も、ずっと、“未来の地下戦車長”の手習いをつづけていた。
或日、彼は、会社の机に向って、そこに有り合わせた修理引受書用紙を裏がえしにして、ペンで“未来の地下戦車長”と、また書き始めたのであった。
「おや、岡部。お前、なかなか字がうまいじゃないか」
とつぜん、うしろで、係長の小田さんの声がした。
「いやだなあ、ひやかしちゃ……」
と、一郎は、きまりが悪くなって、顔をあかくした。
「なんだい、この“未来の地下戦車長”というのは……」
小田係長は、にこにこ笑いながら、うしろから一郎のあたまをおさえた。
「うわッ。いたい」
と、一郎は、係長さんの手を払って、その場にとび上った。
「あれッ。どうした。どこがいたい」