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みらいのちかせんしゃちょう
未来の地下戦車長
海野 十三
線上閱讀海野 十三《未来の地下戦車長(みらいのちかせんしゃちょう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 41,930 字 · 85 頁
そこをのりこえなければ、本当に役に立つものは出来ない。
それから三ヶ月の間かかって、岡部伍長がはじめて設計した地下戦車が、工廠の中で、実物に仕上がった。
さあ、いよいよその試運転の当日である。
防諜のこともあるので、その地下戦車第一号は、厳重なおおいをかけられ、夜行列車に積まれ、東京から程近い某県下の或る試験場へ届けられた。
ここはその試験場であるが、見渡すばかりの原野であった。方々に、塹壕が掘ってあったり、爆弾のため赤い地層のあらわれた穴が、ぽかぽかとあいていたり、破れた鉄条網が植えられてあったり。
試験に従事するのは、加瀬谷少佐を隊長に、ほかに一ヶ小隊の戦車兵であった。
問題の地下戦車第一号は大型の二台の牽引車に鋼条でつながれ、まわりを小型戦車にまもられながら、ひきずられて、いった。その大きさは、三十トン戦車ぐらいのものであった。
岡部は、もちろん、その地下戦車の中に入り、座席にしがみついていた。
試験をするのに、ちょうど、都合のいいように、土地が切り開いてあった。
「さあ、その斜面に、地下戦車の鼻さきをつっこんでやれ」
少佐は、ときどきにたりと笑いながら、部下を指揮した。