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ほんぽうしょうぞうちょうこくぎほうのすいい
本邦肖像彫刻技法の推移
高村 光太郎
線上閱讀高村 光太郎《本邦肖像彫刻技法の推移(ほんぽうしょうぞうちょうこくぎほうのすいい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 5,058 字 · 10 頁
させる。これは前代流行の素材では到底出し得なかったものである。この線条の繰返しは人を生理的心理的に圧倒する性能を持っていて、例えば高い太い太鼓の音の無限の連続のような作用をひき起す。人は眼のくらむような思をするのである。流麗というような言では説きつくせない。弘仁貞観から寛平に至る大宗教時代は日本木彫史上の壮観である。
この時代には肖像彫刻にも、東大寺開山堂の良辨僧正坐像のような堂々たる高雅な性格描写の傑作があり、また岡寺の義淵僧正坐像のような立ち入った写実的傾向の強い技法によるものがある。いずれも探求する意力、新をあばく精神が漲っている。肖た風姿を作って満足しているような弱い造型本能の能くするところではない。教王護国寺の講堂に充ちあふれて轟きわたっている峻烈な精神の人間的あらわれと見るべきである。背後にこういう裏打がなければ、肖像彫刻はまことに碌でもない個人個人の記録に過ぎなくなる。
やがて世は藤原氏全盛時代となり、恵心僧都の浄土教となり、極楽往生の欣求が世に満ち、宗教はこの世を一つの大きな夢に化した。精神の昇華、神経の洗煉は大仏師定朝となって現前する。