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いなかがえり
林芙美子随筆集
林 芙美子
線上閱讀林 芙美子《林芙美子随筆集(いなかがえり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 58,157 字 · 118 頁
私は、市井ありふれたお神さんが子供を四、五人も抱えてあくせくしているのを、昔は気の毒だと思ったこともあったが、そのお神さんたちは案外幸福気なのだろうと考える。朝夕、子供が着物を汚して来ることに不服をいいながら、三百六十五日洗濯ばかりしている。それでいいと思う。そのひとたちから洗濯や子供を取りあげたらどんなものが残るのだろう。子供を託児所へやるために子供の社交性を訓練しなければという名流婦人もあったが、子供の社交性とは何ぞやである。――話は違うけれども、私は子供の本や雑誌や教科書を手にして何時も寒々としたものを感じるのだが、おまけのついたべたべたした子供の雑誌は何とかならないものだろうか。十銭ぐらいで子供の岩波文庫みたいなものが出来るといいと始終考えている。小学校の教科書にしても、私はあの表紙をカンゴク色だと云っている。お上のお役人がおぎりでつくったような本である。明るい色、明るい活字、すがすがしい紙、健康な絵を、あの教科書はみんな忘れてしまっている。沢山のお母さんたちが、もっと子供の本に就てアリチブになってほしいと思う。
私も、そろそろ子供のほしい年ごろになり、二、三人はほしいものだと思っている。