輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
さくらのみのじゅくするとき
桜の実の熟する時
島崎 藤村
線上閱讀島崎 藤村《桜の実の熟する時(さくらのみのじゅくするとき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 111,569 字 · 222 頁
「しかし君。可いじゃないか、男と女が交際したって」と捨吉は何気なく言って見ようとしたが、口には出さなかった。
「なんでもS先生の細君の取持だそうだ――」同級生はミッション・スクウル風の男女交際にも、今までの習慣に無い婚約ということにも一切反対の語気で言った。
次第に遠くなって行った繁子がBとの婚約の噂は妙に捨吉の胸を騒がせた。もう一度彼女は捨吉の方を振返って見て、若かった日のことを悉く葬ろうとするような最後の一瞥を投げ与えたように思わせた。
運動場であるベース・ボールの練習も、空を飛ぶ球の動きも、廊下から見物するものを直に飽きさせた。皆な静止としていられなかった。何か動くことを思った。けたたましく一つの部屋の戸を開けてまた他の部屋の方へ歓呼を揚げながら廊下を駆け抜けるものもある。
「菅君」
と捨吉は友達の名を呼んで見て、その側へ行って一寸口笛を吹いた。
「何だい、いやに人をジロジロ見るじゃないか」と菅は笑った。
「君、ボクシングでもして遊ぼうか」
捨吉はそんなことを思い付いて、皆が休息と遊戯を楽む中で、温厚しい友達を向うへ廻した。
「どうしようと言うんだ」