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おけはざまのかっせん

桶狭間合戦

菊池 寛

線上閱讀菊池 寛《桶狭間合戦(おけはざまのかっせん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 12,784 字 · 26 頁

青空文庫

今川義元の西進

尤も乱世の英雄で反間を用いない大将なんて無いのであるから、特別の不思議はない筈であるが。

とにかく、この様な苦闘を経て、漸く勢を四方に張ろうとして来た信長と、駿遠参三ヶ国を擁して、西上の機を窺って居た今川義元とが、衝突するに至るのは、それこそ歴史上の必然であったわけだ。

今川義元の西進

群雄割拠の戦国時代は一寸見には、徒らに混乱した暗黒時代の様に見られるけれども、この混乱の中に、自ら統一に向おうとする機運が動いて居るのを見逃してはなるまい。英雄豪傑が東西に戦って天下の主たろうと云う望を各自が抱いて居るのは、彼等の単なる英雄主義の然らしめたことではなくて、現実に、政治上からも経済上からも、統一の機運に乗じようと考えた処からである。此時代になって、兵農の分離は全く明かになり、地方的な商業も興り、足利時代に盛になった堺を始めとして、東の小田原、西の大阪、山口等次第に都会の形成をも来して来たのであるが、此秋に当って、小さく地方に、自分丈の持前を守って居ようなど考えて居る者達は、より大なろうとして居る強者の為にもみつぶされて仕舞うことになる。志ある者は必ず上洛して、天子の下に、政治経済の権を握って富強を致そうと望むのが当然である。