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なりひらぶんじひょうりゅうきだん
業平文治漂流奇談
三遊亭 円朝
線上閱讀三遊亭 円朝《業平文治漂流奇談(なりひらぶんじひょうりゅうきだん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 159,974 字 · 317 頁
のは何処(どこ)かに愛敬のあるもので、これは自然陰陽の道理で、男の方では女の肌へくっついて入湯を致すのが、色気ではござりませんが只何(なん)となくいゝ様な心持で、只今では風俗正しく、湯に仕切りが出来まして男女の別が厳しくなりましたが、近頃までは間が竹の打付格子(ぶっつけごうし)に成って居りまして、向うが見えるようになって居りますから、左の方を見たいと思うと右の頬(ほゝ)ばかり洗って居りますゆえ、片面(かたッつら)が垢(あか)で斑(ぶち)になっているお人があります。其の頃本所中(なか)の郷(ごう)に杉の湯と云うのがありました。家(うち)の前に大きな杉の木がありますから綽名して杉の湯/\と云いますので、此の湯へ日暮方になって毎日入湯に参りますのは、年のころ廿四五で、髪は達摩返(だるまがえ)しに結いまして、藍(あい)の小弁慶の衣服(きもの)に八反(はったん)と黒繻子(くろじゅす)の腹合(はらあわせ)の帯を引掛(ひっか)けに締め、吾妻下駄(あづまげた)を穿(は)いて参りますのを、男が目を付けますが、此の女はたぎって美人と云う程ではありませんが、どこか人好きのする