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じろうものがたり

次郎物語

下村 湖人

線上閱讀下村 湖人《次郎物語(じろうものがたり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 200,443 字 · 398 頁

青空文庫

……あちらの若い人は、本田君。君らの仲間の一人だと思ってもらえばいい。」

それから、

「みんな汽車でつかれただろう。今晩は、宿屋にでも泊まったつもりで、のんきにくつろぐんだな。もっとも、郷里にはがきだけはすぐ出しておくがいい。」

そして、みんなが居ずまいを正し、恐縮しているような顔を、にこにこしながら見まわしたあと、すぐ室を出た。

その日はそれっきりで、べつに何の行事もなかった。塾生たちは、朝倉夫人や次郎をはじめ、給仕の河瀬や、炊事夫の並木夫婦に何かと世話をやいてもらって、入浴をしたり、広間に集まって食事をしたり、各室で大火鉢をかこみながら、各地のおみやげを出しあって茶をのんだりするだけのことだった。就寝の時刻についても、十時半になったらきちんと電燈を消すことになっているから、そのつもりで、という注意が与えられただけだった。何だか塾堂に来ているというより、修学旅行で宿屋に泊まっているという感じのほうが強かった。そして、そうした意味での親愛感なら、各室ごとには、もうたいていできあがってしまっていたのである。

それでも、いざ就寝という時になって、どの室にもちょっとした混雑が生じた。