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ぶそうせるしがい
武装せる市街
黒島 伝治
線上閱讀黒島 伝治《武装せる市街(ぶそうせるしがい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 115,959 字 · 234 頁
工場の空気は、幹太郎を忌避し、敬遠した。幹太郎自身も、それを感じないではいられなかった。
「やっぱし俺は、お払い箱だ! あの態度は、俺からトットと出て行けと云ってるんだな。」
支配人と小山にまつわっている不思議な、ばつの悪さを感じながら、彼は考えた。
「馘にならんさきに、自分から、出て行けッと云うんだな。」
彼はその原因が、親爺の支那人なみのヘロ中と、王洪吉の賃銀を代って要求してやったことにあるのを知っていた。
彼は、時々、事務室をぬけ出した。請負作業の出来高を調べるものゝように、仕事場に這入った。殊更、注意深く、工人達を観察した。
稍、うつむきこんで軸列器をがちゃがちゃ鳴らし、木枠に軸木を植えつけている于立嶺は、おどおどして、あたふたと頭をさげた。
「びくびくすんなよ。」
「はい、はい。」
傲慢で、ツンとした于立嶺が、全く、おびえきった子供のように変っていた。
「やっぱし、薬がきくんだな!」
小山の、軍隊の駐屯に対する感謝と、自分のやり方に対する、得意さは、一日々々顕著になっていた。リンチが度重なるに従って、工人の挙動がおとなしくなってきた。社員に、おべっかを使うように、ペコペコ頭を下げた。