輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
せっしょうだにのおにび
殺生谷の鬼火
山本 周五郎
線上閱讀山本 周五郎《殺生谷の鬼火(せっしょうだにのおにび)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 9,545 字 · 19 頁
「えらく早いお着きでがすな」
「旭川まで旅客機で来たからね、――旅客機、飛行機だよ」
「そんな危ねえ物にお乗んなすって」
「まあ宜い、出掛けよう」
敦夫は馬車へ乗った。――馬車はまだ灰色の残照のある道を、荒地の方へ向ってがたがたと走りだした。
「一体何事が起ったんだ、爺や」
「恐ろしい事が始まっただぞ若旦那さま、奥さまは非業にお亡くなり遊ばすし、大旦那さまも御容態が危ねえだ、――村の者の中にも人死にがあるだよ」
「訳を話して呉れ、訳を」
「殺生谷の鬼火が祟り出しただ、御領分内の者ぁみんな生きた空ぁねえでがすよ」
平造の話を簡単に記そう。
この老人が「御領分内」と云っているのは、椙原家で持っている広大な土地を指すのである。それは北見と石狩の国境に近く、ふたつの嶮しい山塊に囲まれた平原で、湿地や沼沢の多い、礫の洗出されたひどい荒蕪地に取巻かれていた。――その土地の、つまり椙原村の一里ほど北へ離れた処に、俗に「殺生谷」と呼ばれる沢地がある。背を没するような蘆の生えた泥深い沼と、陰科植物の繁殖した湿地とで成り、見るからに物凄い場所であるが、そのうえ其処には昔から恐ろしい伝説があった。