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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

線上閱讀石川 欣一《比島投降記(ひとうとうこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,333 字 · 134 頁

青空文庫

AR

――(B中尉の名前を出したついでに、ちょっと書いておきたいことがある。この拙文を読まれる方々もお考えのことと思うが僕は、PWとして、すくなくとも米国の兵隊との間柄においては、ユニークな経験をした一人であろう。これには、アパリのG中尉とLSTのB中尉とが、大きに関係している。いずれ近く書きたいと思っているが、ここでも一言触れておきたい。)

AR

アパリから来た人々は全部マニラで上陸したが、僕は二十名あまりの兵隊が使役のために残るので、通訳として残ることを命じられた。甲板の錆を落し、ペンキを塗るのが主な仕事だったが、それに五日かかった。上陸用舟艇は防波堤の外に出て行き、そこから僕はマニラの市街を眺めた。大きな建物はほとんど全部残っているし、小さい建物はあるのか無いのか見えないから、マニラは以前と同じような外見を呈している。港務所、市役所の塔、さてはアルハンブラ、ペラルタ、ベイヴュウ等、海岸通に並ぶ高級アパート等を見やって、僕はかつてのマニラ生活を思い浮べた。

艦内での仕事の指揮者は副長のB中尉だったが、直接指図したのはAR――水兵長である。僕より背の低い、ちょっといなせな男で、一向に口を利かないが、よく気がついた。