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ひとうとうこうき

比島投降記

石川 欣一

線上閱讀石川 欣一《比島投降記(ひとうとうこうき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 68,333 字 · 134 頁

青空文庫

あの二人がどうしたかが心配になっていたのである。比島人に襲われていはしないか。友軍から射撃されてはいはしないか。連絡が取れたにしても、うまく説得することが出来たかどうか。ミイラ取りがミイラになって、山の中へ一緒に逃げ込んでしまったり、あるいは例の「玉砕」で刺しちがえて死んだりしたのではあるまいかなどと、年よりにありがちの取越苦労という奴で、あれやこれやと思いめぐらすのであった。約束の一時までにゴンサカに着くためには、遅くとも十時には出発していなくてはならぬ。しかるに十時が十一時になっても、正午を過ぎても、何の話もない。前に書いた通り、我々は入口のすぐ左手のテントを事務所にしていたので、僕はここを離れず、三時頃までも入口に注意を払っていたが、それらしい投降者はやって来ない。すると三時半頃、一台のジープが走って来て、すぐ大隊本部へ来いとの命令である。本部まで五分もかからない。着いて見ると、ガランとした部屋にゴンサカへ行った少尉が二人、落着きなく立っており、その一隅ではM少佐が大きな声で電話をかけている。「どうしました」と聞くと「連絡出来ませんでした」