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ひょうがきのかいじん
氷河期の怪人
海野 十三
線上閱讀海野 十三《氷河期の怪人(ひょうがきのかいじん)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 7,321 字 · 15 頁
「月が大きくなるって、どんなこと」
「あの小さい月のことだよ。それがだんだん下におりてきて、大きい月よりも、ずっと大きくなったのさ」
「ちょっと待った。話をきいていると、それは火星のことじゃないの。火星には、月が二つあるが、われらの地球には、月が一つしかないじゃないか」
「あれっ、あんなことをいってらあ」
と、その怪人は、あきれたように道彦をながめ、
「君は知らないのだろうか。わしは、この地球に、二つの月があったことを、ちゃんと知っている。今話しているのは、その小さい月がなくなって、大きい月だけがのこるという話さ」
怪人はじつにへんなことをいいだした。
おそろしき光景
「信じられないなあ。地球に月が二つあって、その一つがなくなったなんて」
と、道彦は、いいかえした。
「だって、月が一つなくなったればこそ、地球の上が氷でもって閉じこめられたのさ」
ふしぎな話であった。そんなことがあっていいものか。
怪人は、ことばをついで、
「その小さい月が、だんだん下に下りてきてよ、とうとうしまいには、海の水にたたかれるようになったのさ。わしも、それは見たがね。すごい光景だったねえ。