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えいきゅうへいわのせんけつもんだい
永久平和の先決問題
大隈 重信
線上閱讀大隈 重信《永久平和の先決問題(えいきゅうへいわのせんけつもんだい)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 11,090 字 · 22 頁
これを称して弭兵という。弭兵とは兵を弭めるという事だが、その性質より考うるにこれを今日の語でいえばリーグ・オヴ・ネーション、国際連盟ともいうべきである。即ち会は諸侯の相会する事で、盟とは神明に誓約するゆえんの義である。神かけて誓約する。然らばこの誓約こそは天長地久変ることなかるべきである。しかしながら彼等の会盟には如何せん、平和の理想に対する誠意が欠けておった。周室を中心に奉じてその下に会盟するといえば、如何にもその形式は平和を絶愛するが如くに見えるけれども、その実、互いの胸中には禍心を包蔵して機の熟するまでの平和を希望したまでで、譬わば猫児の鼠待つ間の空睡りの如き態であった。それ故にその会盟は一回では済まされぬ。幾回も幾回もこれを繰返したので、春秋一篇はあたかも会盟の記録たるに過ぎぬが如くに見える。即ち当時の会盟は表面こそあくまで平和のための会盟であったけれども、その実、攻伐のための会盟とも言い得べきものであった。自己のあくなきの欲望を胸に秘めての会盟であった。それ故に一朝利害の標準の変るに従い、旧き会盟を破って新しき会盟を結び、新しき与国の力を借りて旧き与国を伐つくらいの事は何でも無かった。