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えどまえのつり
江戸前の釣り
三遊亭 金馬
線上閱讀三遊亭 金馬《江戸前の釣り(えどまえのつり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 106,910 字 · 214 頁
というので、「自製のワカサギ竿」、「青ギスの前ビク」、「背負いゴザ」、「夜釣りの電灯」、「折りたたみ式竹製ビク」、「網を編むアバリと目板」をごらんに入れた。
新内の初代加賀太夫氏の舎弟・宮古太夫、のちに加賀太夫となった人だが、大森に家があって釣り舟も自分で持っていた。この人は高場のヒビボラが好きで、よく一緒に釣りに連れて行かれた。この人のこしらえた横浜の手バネのボラ竿は今も家に残っている。その竿のお礼に、ぼくは竿忠のフナ竿を一本差しあげたことがある。川釣りはぼくのほうが先輩で、四月の乗っ込み時分には、ぼくの家へ泊まってよく一緒にフナ釣りに行ったものだ。
あるとき、ぼく一人で取手からバスに乗り、アイノヤの水門へ行くつもりでおりてみると、どこかの釣り会でバスは満員。この連中に先へ行かれてかきまわされてはたいへんだと、駅前の車庫へとび込み、アイノヤまでハイヤーをとばして、乗り込んで例の水門ぎわへ腰をおろし、竿のしたくにかかろうとして見ると、竿掛けから川へ向かって釣り竿が一本出ている。
ちょうどあたりに人影はなし、これはありがたい、朝起きは三文の徳がある、しめこのうさうさ、と手に取りあげてみると、何とぼくが加賀太夫さんにあげた竿忠のフナ竿である。