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かごつるべ

江戸情話集

岡本 綺堂

線上閱讀岡本 綺堂《江戸情話集(かごつるべ)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 203,779 字 · 407 頁

青空文庫

と、お絹は案外はっきり言った。

これほどしっかりと口が利けるようならば、姐さんも少しよくなったのかしらと、お君はなんだか頼もしいようにも思われた。

「君ちゃん、お前にはいろいろ世話になったけれども、今度はあたしももういけないよ。あたしも覚悟しているよ」

お君は涙ぐんで聞いていた。

「そこで、あたしが頼むことというのは、お前も大抵察しているだろうけれど……。向柳原の林さん、あの人はずいぶん薄情だと思うよ」

「あら、林さんはもう少しさっきまで来ていましたよ」と、お君は慌てて打ち消すように言った。

「そう」と、お絹はさびしく笑った。「そりゃあよんどころなしの義理づくさ。あたし、どう考えてもあの人は人情がないと思う」

一体、ここの家を逃げ出したというのがすでに頼もしくない。この夏頃からあたしに隠して列び茶屋へ遊びにゆく、それがまた憎らしい。たしかな証拠を握っていないけれど、どうもお里と林之助はひと通りの馴染みではないらしく思われる。証拠がないので今まで堪忍していたが、いよいよこうと見極めが付いたら、あたしは不二屋へ蛇を持って行って、いつかお此を責めたように、お里をむごたらしく責めてやりたい。