輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
かわあかり
河明り
岡本 かの子
線上閱讀岡本 かの子《河明り(かわあかり)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 49,244 字 · 98 頁
車を呼び止めて、娘をホテルの食堂に連れて行き、早い昼飯を食べさした。そのあと、ローンジでお茶を飲みながら
「面倒臭いじゃありませんか、そんなこといつまでもぐずぐず云ってたって……そんなこと云って、その人が陸へ寄りつかないなら、こっちから私があなたを連れて、その人の寄る船つきへ尋ねて行き、のっぴきさせず、お話をつけようじゃありませんか」
私も東京生れで、いざとなると、無茶なところが出るのだが、それよりもこの得態の知れない男女関係の間に纏縛され、退くに退かれず、切放れも出来ず、もう少し自棄気味になっていた。
すべてが噎るようである。また漲るようである。ここで蒼穹は高い空間ではなく、色彩と密度と重量をもって、すぐ皮膚に圧触して来る濃い液体である。叢林は大地を肉体として、そこから迸出する鮮血である。くれない極まって緑礬の輝きを閃かしている。物の表は永劫の真昼に白み亘り、物陰は常闇世界の烏羽玉いろを鏤めている。土は陽炎を立たさぬまでに熟燃している。空気は焙り、光線は刺す――――――
私と娘は、いま新嘉坡のラフルス・ホテルの食堂で昼食を摂り、すぐ床続きのヴェランダの籐椅子から眺め渡すのであった。