輕鬆讀懂日語經典作品
ja-reading.com
輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。
〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき
津田左右吉歴史論集
津田 左右吉
線上閱讀津田 左右吉《津田左右吉歴史論集(〔『しなしそうとにほん』しょはん〕まえがき)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 79,004 字 · 156 頁
日本の国家は長い歴史的過程を経て漸次に形づくられて来たものであるから、特に建国というべき時はないとするのが、当っていよう。要するに、皇室のはじめと建国とは別のことである。日本民族の由来がこの二つのどれとも全くかけはなれたものであることは、なおさらいうまでもない。むかしは、いわゆる神代の説話にもとづいて、皇室は初から日本の全土を領有せられたように考え、皇室のはじめと日本全土の領有という意義での建国とが同じであるように思われていたし、近ごろはこの二つとこの島における日本民族のはじめとの三つさえも、何となく混雑して考えられているようであるが、それは上代の歴史的事実を明かにしないからのことである。
さて、ここに述べたことには、それぞれ根拠があるが、今はそういう根拠の上に立つこの建国史の過程を略述したのみであって、一々その根拠を示すことはさしひかえた。ところで、もしこの歴史的過程が事実に近いものであるとするならば、ジンム(神武)天皇の東征の物語は決して歴史的事実を語ったものでないことが知られよう。それはヤマトの皇都の起源説話なのである。日本民族が皇室の下に一つの国家として統一せられてから、かなりの歳月を経た後、皇室の権威が次第に固まって来た時代、わたくしの考ではそれは六世紀のはじめのころ、において、一層それを固める