輕讀日語

輕鬆讀懂日語經典作品

ja-reading.com

輕鬆讀懂日語,輕鬆閱讀日語。線上閱讀日語經典作品。支援在閱讀過程中顯示假名、查詢生詞、翻譯句子。

うかぶひこうとう

浮かぶ飛行島

海野 十三

線上閱讀海野 十三《浮かぶ飛行島(うかぶひこうとう)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 124,009 字 · 249 頁

青空文庫

風がつのってきたらしく、波頭が白く光る。それがわが潜水艦ホ型十三号の艦橋に立つ当直下士官の眼にも、はっきりわかった。

艦は今、鯨のような体を半ば波間に現し、針路を西南西にとって、全速力で航行中だった。舳を咬む波が、白い歯をむきだしたまま、艦橋にまで躍りあがってくる。

当直下士官は、すっかり雨合羽に全身をつつみ、胴中を鉄索にしばりつけて、すっくと立っている。

頭巾の廂からぽたぽたと潮のしずくが垂れる。すると風が下からどっと吹きあげ、霧のようになって顔をうつ。それでも、いささかもひるむ気色なく、墨をながしたような前方の深い闇を、じっとにらんでいる。

そのうちに風は雨を含んでますますつのり、舳を越えてどどっと崩れかかる波浪はますますたけりくるう。艦体は、前に後に、左に右にとゆれながら、海面を縫って難航を続けた。

しばらくして、ジジジ……と電話のベルが鳴った。

下士官は右手をのばして電話機をとりあげた。

「はあ、艦橋当直」

「こっちは艦長だ。どうだ入野一等兵曹、あと三十浬で飛行島にぶつかる筈だが、西南西にあたって、なにか光は見えぬか」

「はい、なにも見えません。