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ふどうするちか
浮動する地価
黒島 伝治
線上閱讀黒島 伝治《浮動する地価(ふどうするちか)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。
N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 14,079 字 · 29 頁
直線が一番いゝ筈じゃないか。一寸、そんな気がした、すると、誰れかゞ、
「今度ア、伊三郎の田を入れるとて、わざと、あんな青大将のようにうね/\とうねらしてしまったんだぞ。」
こう云い出した。実際、今度は、伊三郎の田が、どいつも、こいつもひっかゝっていた。
「停留場を、あしこの田のところへ、権現の方のを換えて持って行くというじゃないか?」
「だいぶ重役に賄賂を掴ましたんじゃ。あの熊さんを使うてやったんじゃよ。――熊の奴この夏からさい/\K市までのこ/\と出かけて行きよったじゃないか。」
「そうか、そんなことをやりくさったんか。道理で、此頃、熊と伊三郎がちょん/\やっとると思いよった。くそッ!」
敷地にはずれた連中は、ぐゎい/\騒ぎ出した。敷地に這入るか、這入らないかは、彼等の家がつぶれるか、つぶれないかに関係していた。真剣に、目を血ばしらすのは当然だった。
「そんじゃ、こっちも、みんなで、ほかの重役のとこへ膝詰談判に行こうじゃないか。伊三郎が、そんなことをしくさるんなら、こっちだって、黙って引っこんでは居れんぞ。」
「うむ、そうだ、そうだ。黙って泣寝入りは出来やせん!」