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うきぐも

浮雲

二葉亭 四迷

線上閱讀二葉亭 四迷《浮雲(うきぐも)》,假名注音日語閱讀。JLPT N2,點詞查義。

N2 · 挑戰 · 新字新假名 · 112,980 字 · 222 頁

青空文庫

シカシさすがに心細いと見えて、返えす書に、跡で憶出して書加えたように薄墨で、

こう申せばそなたはお笑い被成候かは存じ不申候えども、手紙の着きし当日より一日も早く旧のようにお成り被成候ように○○のお祖師さまへ茶断して願掛け致しおり候まま、そなたもその積りにて油断なく御奉公口をお尋ね被成度念じ※。

文三は手紙を下に措いて、黙然として腕を拱んだ。

叔母ですら愛想を尽かすに、親なればこそ子なればこそ、ふがいないと云ッて愚痴をも溢さず茶断までして子を励ます、その親心を汲分けては難有泪に暮れそうなもの、トサ文三自分にも思ッたが、どうしたものか感涙も流れず、唯何となくお勢の帰りが待遠しい。

「畜生、慈母さんがこれ程までに思ッて下さるのに、お勢なんぞの事を……不孝極まる」

ト熱気として自ら叱責ッて、お勢の貌を視るまでは外出などを做たく無いが、故意と意地悪く、

「これから往って頼んで来よう」

ト口に言って、「お勢の帰って来ない内に」ト内心で言足しをして、憤々しながら晩餐を喫して宿所を立出で、疾足に番町へ参って知己を尋ねた。

知己と云うは石田某と云って某学校の英語の教師で、文三とは師弟の間繋、曾て某省へ奉職したのも実はこの男の周旋で。